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1日目
5:49に穂積を発車。穂積に停車するのは臨時夜行時代からの伝統。というか臨時夜行のスジをある程度踏襲しているのだから当然か。
大垣到着の放送が流れ、車内が動き出す前にとっととデッキへ張り付く。先頭車両の前よりのデッキ、進行方向左側、ぬかりはない。
それにしてもデッキは寒い。ちょっと判断を誤ったか、ジャケット1つではかなり寒い。到着直前になってデッキに2、3人人がやってきた
が、あまり人は増えない。大垣駅の改札のある跨線橋の位置を考えれば1号車に乗っている乗客は前ではなく、後ろよりのデッキへ向かう
からだ。臨時ながらの乗客は定期ながらに比べて玄人筋が多いため、そういった情報はパソコンでも入手できるため、ぬかりのない人が
多い。ただそういう人に限って実際の大垣駅の構内を把握していなかったりする。だからこそこっちはやりやすいわけですが。
5:55、大垣に到着。電車のドアが開く。18きっぷシーズン恒例、大垣駅座席争奪大徒競走大会の始まりだ。多くの人が駅中央にある
跨線橋に向かって猛然とダッシュする。が、自分は電車を降りた後右ではなく、逆の左へ。駅の西側にもものすごくボロいが跨線橋は
あるのだ。今回は自分の後に一人ついてくる。知っている客なのか、金魚のフンなのかわからないけど…。ボロ跨線橋を渡って、階段を
降りる。この階段、取り付け方向が電車の停まっている方向とは逆なので、降りたところで180°転回。すぐ目の前の223系6両編成の
先頭車両はまだガラガラ。悠々とベストポジションを確保する。
自分が座ってから30秒ほどして中央跨線橋から流れてきたと思われる人たちがワラワラと乗り込み、一気に満員御礼。多くの立客が
出る。この電車、以前に乗ったときはJR西日本の113系4両編成だったのだが、223系6両J編成に変更となっている。デビュー
以来着実に勢力範囲を拡大してきた223系だが、ついに関ヶ原を越えて葛西帝国にまで乗り込んできたようだ。6:01、大垣駅を発車して
米原へ向かう。車内では朝食。その後は普段なら寝てしまうのだが、今回に限っては珍しく米原到着まで起きていた。6:38、米原に到着。
米原で乗り換える新快速は米原始発の12両編成。座席確保は容易だ。対して定期ながらからの乗り継ぎでは長浜始発の8両編成。
へたすると座れない。この辺りも臨時ながらを選びたくなる理由の一つだ。米原では混雑している中央から前よりを避けて、後ろよりの
車両に乗る。網干行新快速電車は6:44、定刻通りに米原を発車。相変わらずの走りっぷり。この電車は大阪8:09の到着のため、途中の駅
からは早出のサラリーマンがわんさかと乗ってくる。自分の乗っている車両は2駅目の能登川でイスが完全に埋まった。近江八幡から
乗って座れないとは随分な混雑だ。その原因はもちろん臨時ながらからの乗り継ぎ客によるところが大きいのだろうけど…。
この新快速も普段なら睡眠モードなのだが、相変わらずどうも眠れない。電車は駅に停まるたびに乗客を飲み込み、ますます通勤電車
の様相だ。京都から先は記憶が飛び、気がつくと大阪。乗客の大半が降りていったが、乗ってくる客も多くそれほど空いたようには
思えない。ここから先は昼間に乗ったことのないところなので、ぜひ起きていて須磨の浦や明石海峡大橋を眺めたい。そのためにわざわざ
進行方向左側に座ったのだ。ところが尼崎、芦屋まで起きていたのだが、ここで再び意識が無くなり気がつくと三ノ宮。いかんいかんと
思いつつも、再び意識が戻ったときにはもう明石。なんだかねぇ。明石の次は西明石。オレンジカードを買うためにここで降りる。
西明石には2分遅れの8:58に到着。
西明石駅はいかにも後付で新幹線駅を足しました、といった感じのちょっと複雑な構造の駅。ただ、みどりの窓口自体は改札のすぐ
そばにあるので、用事を終わらせるには好都合。駅売りのみで通販無しの山陽新幹線開業30周年オレンジカードのうち東側区間発売分の
4枚をここでゲット。ついでにマルス入場券も買ってホームへ戻る。ホームへ戻ると今まさに後続の新快速が到着したところ。ここまで
乗ってきた新快速が2分遅れだっため、かなりギリギリになってしまった。後続の新快速姫路行は9:03、西明石を発車。この新快速も12
両編成だ。というより大阪駅基準では朝の通勤ラッシュなのだから12両編成でないほうがどうかしていると思うが。途中の加古川では
この後姫路で乗り換える播州赤穂行の普通電車と接続。だったらここで乗り換えろと言われそうだが、そこは趣味稼業が存在する。
それにしても加古川駅もきれいになったものだ。5年前にムーンライト九州を加古川で降り、加古川線に乗り換えたときは跨線橋のボロさ
ばかりが記憶に残っている。ところでこの駅の山陽本線は2面4線なのだが、本線は中央の2、3番線ではなく1番線と3番線。上り下りとも
南側の線路が本線になっている。線形の都合上仕方がないのかもしれないが、どうもちぐはぐな気がする。こういった変則2面4線は
内房線の姉ヶ崎駅にも存在する。加古川からさらに15分ほど走って、9:30、兵庫県西部の主要都市、姫路に到着した。
姫路では乗換以外によることはない、というか時間がない。窓口で入場券を買ってさっさとホームに戻る。ここの端末も西明石と同じ
MR12W。個人的には好きな端末で、阪和線の六十谷で入場券を買ったときもおじさんの駅員が「ようやく西日本にも液晶の端末が
入ってね。」とちょっと自慢げに話していたのを覚えている。ただ6分というのはかなりギリギリの時間だったようだ。ホームに
駆け上がると播州赤穂行は既にドアが開いていた。網干より先へ行くのは前よりの4両だけなので、前の4両に乗る。9:36、姫路を発車。
姫路を出ると網干はすぐあっという間だ。網干には9:45に到着。ここで後ろの8両を切り離す。切り離すといっても貫通幌があるわけでも
なし、作業はすぐに終わる。たった3分の停車時間では入場券を買いに行くわけにもいかない。9:48、前よりの4両だけが網干を発車。
途中の竜野で高校野球部の団体が乗り込んできたが、自分と一緒に相生で下車。9:57、相生に到着。
ここから岡山までは新幹線で高飛びする。いくら青春18きっぷで旅行してるといっても、大学生なら旅行中1回くらいの高飛びは
財力的に許される。ならば高飛びをする区間は自ずと姫路〜岡山間と決まる。ただ姫路から乗るのと、特定特急料金となる相生から乗る
のとでは特急料金の差が大きい。(\540差)そのためわざわざ相生までやって来たのだ。相生は一応山陽本線と赤穂線の分岐駅なのだが、
赤穂線の電車は姫路方面へ直通するものも多く、あまり主要駅らしさはない。そもそもなぜここに新幹線の駅があるのか、理解に苦しむ
くらい駅前もパッとしない。とりあえず窓口で入場券を買い、さっさと新幹線ホームへ上がる。高架線上で風が強いことも手伝ってか
寒い。腐っても新幹線駅のため待合室は整備されている。ここでこだま645号の到着まで待つことにする。しばらくすると向かい側の
ホームに新大阪行のこだまが到着。100系の山陽新幹線用新塗装車だ。ホーム上で写真を撮っていると、しばらくしてひかりレール
スターが本線を通過。すると自分の近くにいたおじさんが携帯で撮影。いや、さすがにフルスピードの新幹線は携帯で撮っても
止まらないと思うんだけど…。その後は再び待合室内で待ちぼうけ。待合室内には子連れの親子がおり、ホーム上にもパラパラと客は
いる。新幹線駅としては寂しい限りだが、こだまがかつての山陽本線特急電車と同様の扱いであると考えれば、小駅で
少しずつお客を集めて大きな駅でひかりやのぞみに接続することも大切かもしれない。
しばらくしてこだま645号が到着。到着といっても何かの通過待ちか、すぐに発車するわけではないようだ。1枚写真を撮ってから
車内へ。時刻表にも記載してあったが、2&2シートに改造済みの車両。イスは重厚なつくりで、肘掛もやけに分厚い。高級感だけなら
700系のぞみも真っ青のイスだ。イスをフルリクライニングさせて発車を待つ。10:13、抜かれたのか抜かれてないのかわからない
うちに相生を発車。スピードは…あんまし速くないかなw 車体が重厚な分鋭い加速という雰囲気ではないし、何よりトンネルだらけで
スピード感がよくわからない。トンネルトンネル、稀に高架、といった具合だ。しばらくすると高架高架、稀にトンネル、といった具合に
なり、岡山までずーっとこんな調子で走っていく。10:32、岡山に到着。
岡山ではまず駅弁を買う。新幹線ホーム上の売店よりもコンコースの売店のほうが品揃えが良い。次に売店で新聞を買う。なにやら
ヲタっぽい男がレジで返品してくれとグチグチ言っていたため、思ったより時間がかかってしまった。続いて連絡改札の窓口で入場券を
買う。連絡跨線橋を渡って在来線の10番ホームへ。どうにも岡山駅は複雑な構造だ。これから乗る10:45発の糸崎行普通電車は既に入線
済み。姫路以西の山陽本線は車両にアタリハズレがあるが、これから乗る電車は115系広島改造車4両編成。窓周りが変更されていない
ので、N30更新車両だろうか?とりあえず車内は223系と同様に変更されているのでアタリの車両だ。車内は転換シート2席につき1人
といった感じの乗車率。自分も窓側に座り、隣のイスにリュックを置いて発車を待つ。10:45、定刻通り岡山駅を発車。倉敷まではたった
の3駅なので、乗ったことが無かった頃は岡山から倉敷まで延々と市街地が続いているのかと思っていたのだが、現実はまるで逆。岡山の
次の庭瀬に到着する前にすでに田園風景が広がっている。まぁ岡山から倉敷まで15分もかかるのだから、相当距離があるということなの
だろう。倉敷には11:09に到着。倉敷も岡山に負けず劣らず大きな街だ。逆に言えばもし、岡山と倉敷が一緒くたに発展していたら広島を
凌ぐ中国地方最大の都市に成っていたのかもしれない。あるいは静岡と清水のようにお互いのプライドがぶつかり合うような感じ
だろうか?倉敷の2つ先の新倉敷駅など、倉敷の県都岡山に対する競争意識のように感じられてならないのだが…。倉敷を出るとさらに
西へ向かって走る。この辺り、山陽本線にしては珍しく坦々としたところだ。
途中の笠岡には11:26に到着。笠岡はカブトガニで有名なところだが、ここで後続の快速サンライナーと緩急接続をして道を譲る。
こちらはその間に入場券収集。11:32、笠岡を発車。笠岡ではあまり乗客は増えなかった。サンライナーからの乗換客はほとんどいない
のだろうか?笠岡は岡山県最後の駅で、次の大門駅は広島県だ。ただ、県境といっても市街地は国道2号線沿いに連続して広がっていて、
道路にあるここから「広島県」、「福山市」を表す看板が無ければどこが県境だかまるでわからない。米子〜安来間の鳥取・島根県境も
こういった感じの県境だ。まぁ笠岡止まりの電車が皆無で、岡山発の電車がいずれも福山、三原方面へ直通していることを考えれば、
県境を越えた流動が十分にある、ということなのだろう。11:46、福山に到着。福山は大きな都市だ。高架のホームからの眺めは岡山、
倉敷にも勝るとも劣らないものがある。まさか津田沼のようなハリボテ書割タウンではないと思うが…。ただ福山駅は在来線の上に
新幹線が乗っかっているせいか、どうにも薄暗い。今日は曇りなのでますます薄暗く感じる。なんだか柱の暗がりを覗くと高校生がタバコ
でもふかしていそうな雰囲気だ。
福山ではそれなりの数の客を乗せ、すぐに発車。しばらく山がちなところを走って、再び海に近づくと頭上を西瀬戸道路、いわゆる
瀬戸内しまなみ街道の新尾道大橋が通過する。明石海峡大橋は見逃したがこちらは見逃さなかった。橋を通るとすぐに尾道駅。尾道駅を
出ると次は終点の糸崎なのだが、この区間は所要8分とそこそこ長い。そしてなによりも左手には海と国道2号がべったりと貼りつき、
大変景色が良い。一方で反対側は山が迫っていて、関東で言えば江ノ電と湘南道路の並走する七里ヶ浜のあたりのような雰囲気か。
しばし瀬戸内海を眺めてから12:14、終点の糸崎駅に到着した。
糸崎では隣のホームの電車にバタバタと乗り換える。どうも乗客全員が乗り換えたようにも見えるが、この駅の利用客はいないのだ
ろうか?車両は先ほどと全く同じ車両。(とはいっても自分はN30更新車とN40更新車のパッと見の区別はつかないけど)アタリだ。イスを
確保してから今一度ホームに出て飲物の自販機を探すが見当たらない。車掌が笛を吹いているのであわてて車内へ戻る。11:16、岩国行
普通電車は糸崎を定刻通り発車。ここからは九州に渡るまで延々、広島支社の管轄に入る。糸崎を出てすぐに三原に到着。三原も福山同様
新幹線の停まる高架駅で、街並も福山同様に大きい。福山から三原にかけての区間は広島周辺のように市街地が連綿と続いているわけでは
ないが、福山、尾道、三原といずれも相応の知名度がある都市が続き、景色も良い。一度電車を降りてじっくりと歩いてみたいところの
一つだ。いつもセカセカとした旅行をしている自分がこんなことを考えるなんて珍しいことなのだ。その三原では2分の停車時間の間に
ホームの自販機でセカセカと緑茶の缶を買う。時間は既に12:20、岡山で買った駅弁をいい加減食べたい。三原ではそれ相応の乗車が
あったが、さすがに自分の隣に人が座るほどの混雑にはならなかった。
12:22、三原を出発。呉線の線路が分岐していくのを見送った上でおもむろに駅弁に手をつける。岡山駅の有名?駅弁業者、三好野の
「豚トコTON」。ご飯は豚肉で覆われていて、この上に甘辛のソースと辛子マヨネースをかけて食べる。ただどこに何をかけて食べれば
いいのかさっぱり不明なんですが…。さらに三好野の公式ページでは「岡山産黒豚の焼豚と炒めたお肉がトコ豚はいったお弁当、温めて
タレをかけるとサイコー。」となっており、本来温かくして食べるべきなのだろうが、そんなこと不可能。うまかったが、タレ問題と
あわせて本来の75%くらいしか味わえなかったような気がする…。ちと残念だ。
駅弁を食べているうちに電車は随分と山の中に入り込んでいた。三原〜広島間を下道でドライブする人のなかには山間部走行で
つまらない国道2号よりも海沿いを走る国道185号を選ぶ人がいるように、電車でも呉線という海沿いを走る選択肢がある。実際去年の
夏は三原〜広島間を呉線回りで移動した。ただ呉線回りは時間がかかる上に、三原〜広間が閑散区間(それでも1時間に1本あるけど)の
ため、今回は山の中を走る山陽本線でそのまま広島へ向かう。トンネルが少ないことから地形に沿って少しずつ標高を稼いでいる
のだろうが、途中からは霧まで出てくる始末。線路も右へ左へとカーブの連続で果たしてこの区間に直線はあるのだろうか、といった
具合。さらに進んで広島空港に近い白市からは電車の本数も増えるのだが、相変わらずカーブと勾配が続く。隣の国道2号線も似たような
もので、とても天下の山陽路とは思えない険しさだ。瀬野〜八本松間の通称セノハチなどは難所の代名詞のような存在だから当然といえば
それまでなのだが…。ただしこの電車はセノハチは上り勾配ではなく、下り勾配。カーブが連続していることはわかるが、急勾配か
どうかはイマイチわからない。そのセノハチを下りきった瀬野から広島市に突入する。海田市で呉線と再び合流して、13:31、広島に到着
した。
広島駅ではまずみどりの窓口で山陽新幹線開業30周年オレンジカードのうち西側区間発売分の4枚を購入。これで今回の旅行の目的の
1つを達成。この後はもともと宮島へ行くつもりだったのだが、西条辺りから天気はずっと雨模様。それもそこそこ激しく降っている。
結局宮島行は断念。ただ、もみじ饅頭は買っておきたい。それも前回手に入れ損ねたやまだ屋の「栗っこもみじ」だ。まずは改札の前に
ある土産物屋に寄ってみたが、ここには無い。続いて新幹線コンコースの土産物屋へ…。ここで発見、無事購入。
続いて時間が余ったとき恒例の?入場券収集に繰り出す。まずは在来線ホームへ戻って13:50発の岩国行普通電車に乗り込む。この
電車もスーパー改造車。運が良いのか、単にスーパー改造車が増えただけなのか。とはいえ座れないのであまり関係なけど…。2つ先の
西広島には13:56に到着。入場券を買ってホームへとんぼ返り。14:06発の快速シティーライナー新山口行に乗り込む。この電車はいわゆる
「広島快速色」とか「広島空港色」とか言われる塗装の、2ドアの115系3000番台車。これまで115系3000番台車というと転換クロスの
部分が少ないというイメージがあったのだが、この電車は転換クロスの部分が広い上に、イスも心なしか新しい。以前は3000番台と3500
番台の区別が分からなかったので、勘違いしていたのか?色が同じなのでよくわからない。それでも次の駅で降りるからあまり関係ない。
ホームが大きくカーブしている新井口駅には14:10に到着。そういえば中学校のころの友達で、卒業と同時に引っ越して広島の井口高校
なるところに進学したのがいたが、この辺りなのだろうか?そんなことを考えながらも、やっぱり入場券を買ってすぐにホームへ戻る。
新井口14:15発の岩国行普通電車は瀬戸内色の103系。ロングシートに掛けて隣の五日市へ向かう。五日市には14:18到着。五日市駅は
広島市と合併する前の旧五日市町唯一のJR駅で、五日市町は合併後そのまま佐伯区になっている。ただ佐伯という地名は本来、五日市
だけでなく宮島や対岸の大野辺りまで含んだ郡名だと思うのだが、区名にしてしまってよかったのだろうか。まぁ余所者が要らぬことを
考える必要もないのだろうけど。ここでも橋上の窓口で入場券を買ってホームへ戻る。14:33発の岩国行普通電車で五日市を離れるのだが、
この電車どうもおかしい。何がおかしいって、車両の端と真ん中で全然違う。4両編成なのだが、端の2両は2ドアで転換クロスシート。
一方真ん中の2両は3ドアでセミクロスシート。真ん中のMM'が3500番台に置き換えられていない編成なのだろうか?相変わらず広島の115系
は複雑で分かりにくい。宮島口には14:44に到着。
宮島口に到着した頃から再び雨脚が強くなってきた。この天気のせいかあまり観光客も見当たらない。それでも白人のカップルが1組
いたけど。とりあえず窓口で入場券を買って、駅舎内で次の電車を待つ。と、次の下関行快速電車は遅れて到着、とのこと。それにしても
この宮島口の電光表示機に「下関」と表示されるあたり、長距離列車の残る山陽本線らしさか。結局3分遅れの14:54に宮島口を発車。
車内は意外に混雑していて座れない。県境を挟んだ岩国までは広島の通勤圏のため、電車の本数も多いし、客も多い。結局座れないまま
岩国駅には15:09に到着。定時より4分遅れとのアナウンス。岩国ではとりあえず入場券を買ってから、改札正面に停車中の徳山行の岩徳線
に乗り込む。んが、しばらくすると「大雨の影響により…、…岩徳線全線で徐行運転を…、…遅れが見込まれ…、…予めご承知…」
というアナウンス。どうにも聞き取りづらかったが、大雨のため徐行運転するから遅れる、ということなのだろう。はたしてどれほど
遅れるのか予想もつかず、結局岩徳線を諦めて規制のかかっていない山陽本線柳井回りで行くことにする。
15:40、4分延発の新山口行普通電車に乗る。広島快速色の115系3000・3500番台車。ホームでは3ドア車しかドアが来ない位置に並んで
いた人もおり、この辺り地元民でも混乱するところなのか?3500番台車は転換クロス部分が少ないが、無事海側の転換クロスシートにあり
つけた。岩国〜柳井間は海に沿って走る区間。しばらくボーっと外の景色を眺めて過ごす。ただ、あいにくの天気のため海は青ではなく
どんよりとした灰色だけど。途中、その筋の人には有名な下松を通って(鉄道車両を作っている日立製作所笠戸事業所の最寄駅。西武の
6000系アルミ車や20000系もここの車両)、16:44に徳山に到着。ホームからも多数の煙突が見え、工業、特に石化工業のイメージが強い。
ここ徳山で列車番号が変わるとともに、5分間停車する。その間に窓口で入場券を買って戻る。念のため全ての荷物を持って買いに行った
ため改めてイスを探す必要があったが、最後尾の車両へ行くと転換クロスシートが大量に空いていた。16:49、列車番号だけ変わって
新山口へ向かって発車。途中の防府は相変わらず立派な高架駅だ。鉄道路線図ではイマイチ目立たないが、工業都市の徳山市(現、
周南市)に対してこちらは商業都市なのだろうか?17:30、新山口駅に到着。
新山口では18:06発の山口線、宮野行普通列車に乗り換える。広島支社色のキハ47+48の2両編成。車内はそれなりに混雑しており、自分
が座っていたボックスも結局3人が座った。発車時にはそこそこ立客もおり、帰宅時間帯のせいか盛況だ。山口線の新山口〜山口間は駅間
が短く、動いては停まってを繰り返す。このあたりは境線に似ていて、電化するだけで相当時間短縮が出来そうなものだ。18:24、
湯田温泉駅に到着。窓口で入場券を買ってから温泉へ向かう。ユラリというホテルタナカの入浴施設で、宿泊客だけでなく一般利用も
可能だ。4年前にも利用したことがある。料金は\650と安くはないが、施設はきれいな方だし、宿泊客利用が前提ということもあって、
ボディーソープやシャンプーといったものが完備されているのもうれしいところだ。フロントでヒゲソリとバスタオル(各\50)を借りて
温泉へ。極楽だ。風呂上りにソファで涼みながら時刻表をパラパラとめくっていたところ、どうやら1本早い列車に乗れそうだ。あわてて
荷物をまとめて駅へ戻る。
予定より1本早い19:45発の山口行普通列車で湯田温泉駅を発つ。しかしこの湯田温泉駅、温泉街から離れたところに駅があるせいか
周囲は真っ暗。その上駅の窓口がメンテック委託のため店じまいが早く、駅内も既に暗い。観光地の駅としてこの異様な暗さはいかがな
ものかと思うのだが…。湯田温泉を出発した列車は19:49、すぐに終点の山口に到着。駅の窓口では入場券を買うとともに、「思い出の
キハ181系」のオレンジカードを発見。個人的には掘り出し物で、ちとうれしい。買うものを買ったらすぐにホームへ戻る。19:54発の
新山口行普通列車で新山口へ。
新山口には20:15に到着。山口線の列車は改札の前に発着するので外へ出るときは便利だ。乗換時間の間に以前も利用したことがある、
セブンイレブン新山口駅前店で晩飯を買う。何を血迷ったか、またしてもおでんを買う。そういえば前回、真夏にここを利用したときも、
前々回やはり真夏に利用したときも(そのときはまだ小郡駅だった)おでんを買ったような…。このおでんを20:34発の下関行普通電車の
車内で食べる。食べ終わってしまうと特にやることもない。窓の外は真っ暗だし、車内もこの時間だと閑散としている。終点の下関には
21:43に到着。新山口〜下関間は大きな街がないため、下関の街の明かりを見ると「街中へ出てきた」感がする。ここで21:48発の門司行
電車に乗り換える。車両はJR九州の交直流車415系。車内の色使いもハデだ。また関門仕業はJR九州の担当なので、車内へ回ってきた
車掌もJR九州の車掌。以前の関門間はデッドセクションで車内灯が落ちたのだが、今回は落ちなかった。いつの間にか改良でもした
のだろうか?九州へ上陸して21:55、門司に到着。また、乗換。しかも、階段。門司21:57発の博多行快速電車は813系3両+811系4両の7両
編成。しばらく4両編成ばかり目にしてきたせいでやけに長く感じる。普段乗っている総武線快速電車の後に見たら短く感じるんだろう
けど…。この電車も1駅だけ乗車。22:02、小倉駅の6番ホームに到着。
北九州最大の駅、小倉駅。いわゆる五大市(横浜、名古屋、京都、大阪、神戸)以外では最初に政令指定都市になった北九州市の
まさに玄関。駅も大きい。とりあえずJR西日本の窓口へ行って入場券とオレンジカードを買う。これで小倉での用事は終了。この後に
備えて飲物を買っておきたかったのだが、どうにも妥当なものが見当たらない。いつもならすぐに緑茶を買うのだが、これから夜行列車に
乗って寝ようというときにお茶類はいかにもまずい。また夜行列車に長時間乗っていると口の中が乾燥するし、こまめに水分補給しないと
体に良くない。結局小倉で買うのは諦めてホームへ戻る。7番ホームはそれと見てムーンライト九州に乗ると分かる客が大勢いる。22:12、
わずか10分間の滞在で小倉を後にする。
車内では足元に岡山で買った新聞を引いて靴を脱げるようにしておく。ただでさえ足がむくんでいるのに、このまま靴を履き通しで
寝たらますます体に良くない。次の門司ではやはり自販機が見当たらない。その次の下関でようやくアクエリアスをゲット。個人的には
ポカリの方が好きなのだが、背に腹はかえられない。このアクエリアスだってホームではなく、わざわざ改札の外の自販機まで行って
買ったものだし…。ムーンライト九州に戻って前のイスに座っている男性と話をしたところ、先日の福岡の地震で1日身動きがとれず、
旅行の予定が大幅に狂ってしまったとのこと。地震のときに福岡にいたのなら「怪我一つせずに良かった」となるわけだが、いたのが
熊本で純粋に列車の運休の影響のみをくらった形だから余計にやりきれないとのこと。ご愁傷様です。厚狭発車後には車内灯が減灯。
防府通過後、しばらくして眠りの世界………zzz
明日へ進む