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1日目
信濃大町駅ではとりあえずPCをコインロッカーに放り込む。駅内では駅員がパイプ椅子を出して立山黒部アルペンルートの常備券を
売っている。駅の待合室でしばらく時間を潰してからホームへ向かう。信濃大町駅はいつのまにか自動改札になっていた。松本や豊科も
児童改札化されていたので、大糸線簡易委託駅のPOS化もこれと関係があるのだろうか。階段を渡って2・3番ホームへ行くと2番ホームには
南小谷行き、3番ホームには松本行きが停車中。松本行きは2連のE127系100番台を2本つなげた4両編成だった。前よりの編成はトップナンバ
ーのA1編成。空きボックスを一箇所見つけたのでそこに座る。E127系100番台は外面、内装ともに東北地方の701系に瓜二つで、直流の701系
などと言われることもあるが、大糸線用の100番台は北アルプス側に4人掛けのボックスシートがついているところがあえて言えば違いだろ
うか。
松本行き電車は5:33に信濃大町駅を発車。4両編成なので当然車掌が乗っている。乗っているのだが、乗っている意味は果たしてあるの
だろうか?JR東海の車掌などは前へ後ろへと頻繁に移動し、無人駅では当然のように集札に走っているがここではただただドア扱いをする
のみ。途中、うつらうつらしながらも5:59に穂高駅に到着。
穂高駅は純和風調の駅舎で、なぜだかコインロッカーも瓦の屋根で覆われている。とりあえずみどりの窓口で入場券とオレンジカード
を1枚購入する。「大糸線を走るスーパーあずさ」というオレカだが、発行が2002年5月とかなり古い。次に乗る電車まではおよそ30分時間
があるので、駅の待合室で昨日買っておいた朝食を食べる。観光駅らしくタクシーが1台常駐しているが、こんな時間に観光客も無く暇そう
だ。待合室の中にはゆーぷる木崎湖で開催中の草薙背景原画展のポスターも貼ってあった。これからこのポスターの中に書かれているとこ
ろに行くんだなと考えると自然に高揚感が高まってくる。ちなみにポスターに描かれている絵は上が「海ノ口駅舎」、下が左から「稲尾
踏切」、「海ノ口駅ホーム」、「稲尾駅」、「海ノ口駅待合室」だ。
6:30に近くなってきたところでホームへ。駅員は奥に引っ込んでしまっているので改札も何も無い。ぐにゃっと湾曲したホームで電車を
待っているとスーパーあずさ用のE351系が回送で通過して行った。それからしばらくして信濃大町行きの電車がこれも4両編成で到
着。6:30、穂高駅を発車。信濃大町駅に戻る。車内ではとりとめてすることもないし、食後で眠いので音楽を聴きながら寝る。終点の信濃
大町には7:01に到着。
信濃大町で接続する南小谷行きも相変わらずE127系100番台。ただしこちらは2両編成のワンマン電車。車内で発車を待っていると1番ホ
ームからスーパーあずさが発車していった。やがて発車時刻が近づいてきたのだが、何やら前のほうでガタガタしている。どうやら運賃箱
横の両替機に千円札を入れたが千円分出てこなかったようで、7:20の発車時刻になっても発車しない。しばらくして発車したが、当該の
女子中学生二人組みは次の北大町で降りるようで、北大町の停車時間はかなり延びた。この電車は北大町の次の信濃木崎で3分の交換待ちを
するので、それほど慌ててはいないのだろう。信濃木崎を発車すると徐々に登りつつ、右手に木崎湖が、ゆーぷるが、そして星湖亭横の公
園が見えてくる。天気は快晴。さらに稲尾、海ノ口と停車し、その途中では国道沿いにYショップ・ニシも確認できた。やがて木崎湖が見
えなくなると、簗場駅に到着。中綱湖は簗場駅の目の前だ。さらに簗場駅を出るとすぐに青木湖が見えてくる。木崎湖、中綱湖、青木湖は
仁科三湖と総称され、いずれも農具川でつながっている。簗場駅を出た電車はこれまでとは打って変わって連続勾配連続カーブの線路をう
ねうねと登っていく。トンネルこそないが、ここ大町市と白馬村の境は立派な分水嶺で、ここより南側は松本へ下って犀川となり、千曲
川→信濃川として新潟で日本海に注ぐが、ここより北側は暴れ川の姫川として一気に糸魚川まで流れ下る。そんなことを考えながら白馬駅
に8:02に到着した。
白馬駅に来たのは理由があって、神城駅のPOS入場券を買うためには管理駅の許可が必要、と某有名サイトに載っていたからなのだ
が、どうも要領を得ないというか、駅員曰く「普通に言ってもらえれば買えると思うんだけど…」とのこと。もはや管理駅の許可など必要
ないのだろうか?次の上り電車は8:53、さらに神城でいったん降りる必要があるので、結局信濃木崎駅到着は10:26になってしまう。白馬
駅前からは頻繁にピコバスグループの松本電気鉄道バスが発着しており、駅前にいる社員に神城駅を通るバスが無いか聞いてみた。そうし
たところ、白馬Alps花三昧2006の会場へ向かう連絡バスが神城駅近くに停まるという。1日フリーきっぷでしか乗れないので400円もかかる
けどいいのかと聞かれたが、1時間を400円で買えるのなら安いもの。それにしても先ほどからアルピコカラーの路線バスが頻繁に行き来し
ているが、違和感があってしょうがない。アルピコカラーといえば京王の新宿高速バスターミナルや永福町駅近くの車庫に停まっている高
速バスのイメージであり、路線バスのイメージではないからだ。8:15、花三昧会場連絡バスのルート2のバスが到着。バス停前の社員からフ
リーきっぷを買ってバスに乗り込む。国道148号線をしばらく南下すると右手にジャスコが見えてくる。ここもスポットの一つではある。飯
森駅の手前で大糸線を乗り越えて線路の東側に出ると、ものの数分で8:23、五竜バス停に到着した。国道沿いのバス停から2、3分歩くと神
城駅に到着。
ここの駅は白馬五竜観光協会が乗車券販売業務
を受託しており、かつては東京都区内までの学割常備券など豊富な常備券在庫で有名だったが、今ではPOS端末が導入されている。早速窓口
で入場券を頼んだところすぐに出てきた。ある意味拍子抜け。待合室で9時ちょうど発の信濃大町行きを待っていると徐々に人が集まって来
た。若い男性も数人いて、それなりに利用客がいることがわかる。
8:59に信濃大町行きが到着。先ほど信濃大町から白馬まで乗ったのと同じ編成で、おなじくワンマン運転。無人駅の信濃木崎で降りるの
で前の車両に乗る。神城ではボックス部分にはだれかしらが乗っていたのでロングシート部分に座ったが、簗場でボックスが一つ空いたの
でそちらに移動。おかげで木崎湖を見ながら簗場〜信濃大町間を乗ることができた。ある意味信濃木崎へ北側から入るルートは「正統」な
ルートと言えないこともない。稲尾駅では車が田圃に落っこちないかなぁ、と期待してみたり…。
信濃木崎駅には9:23に到着。早速駅舎や待合室のベンチの写真などを撮る。さすがにこのベンチは横になって寝るには小さすぎるか
な…。信濃木崎駅の撮影も終わったところで駅前の国道148号線を北上する。歩いてみるとわかることだが、このあたりは田舎であって田舎
ではない。つまり東京やら大阪やらの「都会」や長野やら松本やらの「街」に対して「いなか」というのは正しいが、何もないという意味
での「いなか」ではない。どちらかといえば家も比較的建て込んでいるし、限りなく「街中」に近い感じの場所だ。まあ国道沿いを歩いて
いるからというのもあるんだろうけど。
国道沿いをしばらく歩くとローソンを発見!地図を見た限りでは国道から若干引っ込んでいるように見えるが、実際は国道沿いにあって
国道からも直接出入できるようになっていた。早速裏手へまわって「深衣奈が足を洗った水道」の写真を撮る。ここは国道からの車の出入
口になっているのでけっこう気をつかう。写真を撮った後は特に買物をするでもなくすぐに出発。お盆のせいか駐車場は常に車でいっぱい
で、店内もそれなりに混雑していた。
国道から西へ一本入った道を木崎湖へ向かって歩く。途中までは普通の「センターラインのない細い道」だったが、途中から「どちらか
がバックしないとすれ違えない道」になった。途中には花火大会に伴う交通規制を告知する看板も設置されていたが、なぜだか語尾が「と
なりますです」。さらに歩くと比較的道幅の広い道路とぶつかった。子供づれの親子などもいて基本的に常に人の気配がある。冬の北海道
のように「ここで倒れたら誰にも気づかれずに凍死」ということは考えられない。この人通り、車通りの多さなら5分以内に発見されるであ
ろう。そんなどーでもいいことを考えつつさらに歩き、細い道へ入るとすぐに公園が目の前に現れた。
おね2のオープニング他いたるところにでてくる公園。滑り台、ブランコいずれもそっくりそのまま。まさに感動モノ。滑り台の奥の方
に見える建物が巡礼宿として有名な「アルペンハイム山正旅館」だろうか?滑り台、ブランコの他にも当然湖畔にはベンチもあったが、地
元のご老人方が使っているので撮影は遠慮しておく。先ほどの親子連れもこの公園で遊んでおり、やはり人の多さを感じる。
さて、いよいよ星湖亭へ。いよいよといっても公園の隣だけど。中に入ると、………、人いない?どうやら買い物中で出払っているよう
で、おじさん一人だけが出てきた。今はカレーだけなら出せるとのことなので、カレーを注文する。中には同業者の人もいて、とりあえず
ノートに書き込んでからカレーを食べる。実は生卵は味は平気でもその食感が苦手なのだが、カレーと一緒だとそれほどドロドロ感は気に
ならないし、味そのものはカレーと不思議と合うのでうまい。しばらくしてガヤガヤと大勢店の人が帰ってきた。なるほど確かに食材の入
った袋を抱えていていかにも買出しといった風情。
食後は自転車を2時間借りて海ノ口方面へ。お盆休みの季節でキャンプ場は混雑していそうなので、桟橋や西海ノ口方面は今回は割愛し
て、国道沿い方面に注力することにする。まずは湖の東岸へ出て木崎湖の看板のところへ。駐車車両がいたので妙なアングルになってしま
ったが、この看板に間違いない。続いてツインズのオープニングに出てくるスロープのところを通ったが、釣り人がいたので写真を撮るの
はやめておいた。さらに木崎湖東岸の道をうねうねと進むと、大糸線のガードをくぐって国道へ出るが、あえてガードはくぐらずに細い道
へ入る。
この稲尾駅横の細い道は車が田圃に突っ込んだ道だ。ずいぶんと細い道だが、意外にも交通量はそれなりに多い。この道をさらに進むと
稲尾駅の先に稲尾踏切があり、その角にこれまた有名な鳥獣保護区の看板がある。稲尾駅では何やら親子連れが簗場方面に向かってカメラ
を構えている。電車でも来るのかと思っていたら踏切が鳴り出したので、こちらもついでにカメラを構える。ところが、突然突風が吹いた
かと思ったら、ポツポツと雨が降り出し………、どころかポツポツではなく最初からザーザー降り。電車を撮影している余裕などなく、慌
てて稲尾駅で雨宿り。こんなところまで原作に忠実に行動しなくてもいいのに…。
とりあえずの雨風は防げるが、夏場のせいか窓はところどころ開いていて、横殴りの雨のせいか吹き込みも結構激しい。しばらくして稲
尾駅10:30発の南小谷行きがやってきた。松本から直通の電車だが、E127系100番台ではなく、115系の3両編成で車掌はやっぱり集札には来
なかった。乗客の好奇の視線とともに、「まだ降ってるのね」などという会話が聞こえてくる。さらにどれだけ待っただろうか…、雨が小
雨になってきたので意を決して国道へと自転車で飛び出す。稲尾駅から一津のYショップ・ニシまでは1km少々、大した距離ではない。た
だ、歩道が途中で西側から東側に移るため、その場所で道路を斜め横断する必要があるのはどうにかしてください…。見通しの悪いこんな
雨の日に大型トラックを含めて交通量の多い国道を斜め横断するのは恐ろしくて仕方がない。
稲尾駅から自転車を全力でこいでおよそ5分、Yショップ・ニシ、またの名を縁川商店に到着した。星湖亭でカレーを食べてからそう時
間は経っていないのだが、腹は大丈夫なので小石のうどんを注文する。カウンターに座って待っていると雨はますます強くなる一方。途中
で西濃運輸のドライバーがやってきておばちゃんやお姉さんと談笑しながら食事をしているところを見ると、どうやら国道沿いのミニドラ
イブイン的な役割があるのだろうか。ちなみにうどん・そばのスタンプカードは無期限だというのでカードを作って貰った。小石のうどん
を食べつつ、雨が止まないかと願うも一向に止む気配はない。ときどき雨脚が弱くなることはあってもまたすぐに本降りになる。それどこ
ろか雷までゴロゴロ言い始める始末だ。もはや身動きのとりようもなく、完全にYショップ・ニシで足止めとなった。お姉さんは「雨が止
むまでゆっくりしていってください」とは言ってくれるがそれにしても30分経っても相変わらず雨脚は弱まらない。とりあえずおやきを注
文し、さらに雨宿りを継続。食後だし甘いものが好きなので味は小豆にする。おやきを食べていたら「わ」ナンバーの車がやってきて小石
のうどんを食べている。おばちゃんと談笑しているのでヘビーユーザーの巡礼者か?それにしてもさすが観光地だけあって「わ」ナンバー
の意味がわかるようだ。
12時をまわっても雨が止む気配はない。自転車の時間はおよそ12時20分くらいまで。仕方がないのでビニール袋をいくつか頂戴し、そ
の中に携帯、デジカメ、パスケース、電池など濡れるとまずいものを全て入れ、きつく結んで雨対策とする。おばちゃんとお姉さんに一言
礼を言い、雨の中自転車をこぎ出す。なんていうかここまでくると笑うしかない。本当に大声で笑いたかった。いや、実際はしないけどそ
れでも本当に大声で笑いたかった。Yショップ・ニシからおよそ10数分で星湖亭に戻ってきた。星湖亭では預けていた荷物を回収するとと
もに、タオルをかしてくれたので頭を軽くふく。星湖亭を出てゆーぷるに向かって歩き始めたところ、雨はほとんど止んでいる。なんだか
ねぇ………
星湖亭からゆーぷるまでは目と鼻の先。星湖亭で割引券を貰っておいたので500円で済む。200円でタオルを一つ買って、早速脱衣所で濡
れた服をぬぐ。温泉そのもはとても気持ちが良いもので、普段どぼんしゅの自分としては珍しく内風呂に2回、露天風呂に1回浸かって長風
呂になった。風呂上りはまずは草薙背景原画展へ。続いてロビー?のような場所でぼーっと時間を潰す。当初は信濃木崎14:25発の松本行き
で木崎を発つ予定だったのだが、バスを使って1時間早く木崎に来たおかげで、信濃木崎13:35発の南小谷行きに間に合いそう。この電車に
乗れば海ノ口で40分ばかし時間が取れるので、この電車に乗ることに決定。13:15にゆーぷる木崎湖をあとにする。
行きとは違って国道から木崎湖へ続くスロープを通って国道へ出る。車は国道から木崎湖への一方通行のようで、進入禁止の標識が立っ
ている。国道に出たところで先ほどのローソンに寄ってポカリのペットボトルを1本買う。ローソンからさに国道沿いを歩いて信濃木崎駅に
到着。国道沿いを歩いていたときから駅に115系が停車中なのが確認できたが、自分が駅に到着する直前に大町のほうへ向かって発車してい
った。信濃大町14:04発の臨時快速安曇野の回送列車だろうか?今更になって天気は晴れてきた…。駅で電車を待つこと5分程、南小谷行き
の電車が115系の3両編成で到着した。海ノ口まではあっという間、13:40に到着した。
海ノ口駅ではまずは外に出て一津踏切へと向かう。木崎湖周辺には様々な巡礼スポットがあるが、この一津踏切は最も有名なスポットの
一つだろう。なにせアニメにそのまま「一津踏切」と登場する。一津踏切を越えて右手に向かえば、草薙背景原画展のポスターにあった道
路側から見た海ノ口駅の写真が撮れるが、夜でもないし今回はやめておいた。一津踏切から戻る途中に同業者と思われる人とすれ違ったの
で一応会釈しておいた。あえてコミケの日にぶつけてみたのだが、それでもお盆休みということもあってか同業者が多い。
駅に戻ってからはまず、駅ノートに書き込み。ちなみに駅ノートの過去ノートは先ほどのYショップ・ニシに保管してあると記されてい
た。駅ノートの周りには当然「プリッチ」がお供え物としておいてあった。個人的にはプリッチはロースト味が一番好きなのだが、ここで
はやはりサラダ味が正統プリッチなのだろう。なぜだかおでん缶も供えられていたけど…。続いてホーム上でいろいろと撮影。おねティの
オープニングで出てくる「海ノ口駅のホームから大町方面」の写真も当然撮っておく。他にも小石の振られるベンチ、ファンクラブの植樹
した桜(ある意味で現実のアニメ化?)など撮るべき場所は多い。
一通り撮影を終えて駅の待合室で待っていると、同業者の人が一人やってきた。朝に星湖亭にいた人で、輪行で来て自転車で回っている
そうだ。巡礼サイトを運営しているらしく、全アングル撮影をしているとか。年は同い年のようだが、この分野に限っていえば自分のよう
な新参者ではなく、けっこう年季が入っているようだ。この人としゃべっていたところ、ブレーキ音。いつの間にか14:19発の松本行きが到
着していた。軽く会釈して挨拶してから慌ててバタバタと乗り込む。
ここからは切符集め。まずは信濃大町での8分停車中にコインロッカーに入れたPCを回収する。この電車は運良く信濃大町駅では改札前
の1番ホーム発着のため、あっという間に回収できた。2両編成の車内はそれなりに混雑しており、立客もちらほらと出始めた。ここ信濃大
町からは車掌が乗り込んでツーマンになったが、増結するわけではないようだ。14:40、信濃大町駅を発車。大糸線をたんたんと走って最初
の有人駅、信濃松川には14:53に到着した。ここはみどりの窓口のある駅なので入場券を買う。本来の予定ではここでこの電車を降り、50分
後の次の電車に乗る予定だったのだが、入場券を買った時点でまだ電車は停車中。この駅で交換予定の下り電車がまだ到着していないよう
だ。駅舎とホームが跨線橋ではなく、構内踏切でつながっている構造なのも幸いした。結局この電車は信濃松川を1分遅れの14:56に発車し
た。
信濃松川から8分、引き続き遅れを1分引きずったまま15:04に安曇追分駅に到着した。この駅は数少ない軟券手売り駅の一つ。とりあえ
ず窓口で140円区間の軟券を一枚買う。さて、次の電車はおよそ50分後、切符収集としては効率が悪い。実は隣の有明駅も同じく軟券手売り
の簡易委託駅。しかも両駅の間は直線距離で1.5km程で歩けば30分程度で行ける。ということで駅前で駅舎の写真を一枚撮ってから有明駅に
向かって歩き出す。
国道149号線へ出てひたすら歩く。太陽熱地獄の中を歩く。木崎湖での大雨は何だったのだろうか。暑くてたまらない。ポカリを飲みな
がら歩く。暑くてたまらないのだが、靴の中は相変わらず湿っていて大変気持ち悪い。目標の一つであるエッソの看板はかなり早い段階か
ら見えているのだが、なかなかその距離が縮まらない。20分以上歩いてようやくエッソに到達。さらにいかにも駅構内という雰囲気がして
きたが、いかんせん有明駅の駅舎は最も穂高寄り、すなわちこちらから歩いていくと最も遠い側の端にあるのでなかなか到着しない。実に
安曇追分駅から30分以上かかってようやく到着した。
有明駅の待合室は水でも撒いたのか全面水浸し。とりあえずは窓口で切符を買う。安曇追分までの切符を頼んだところなぜだか補充券が
出てきた。軟券はないのかと尋ねたところ在庫切れだという。仕方がないので補充券で出してもらったが、基本的な口座が在庫切れという
のはPOS化への予兆なのだろうか?次の電車が来るまで20分ほど時間があるのでPCで金銭管理をする。途中でハチが入ってきたので早々に
ホームへ向かう。有明駅は通勤通学時間帯に当駅折り返しの電車のある駅だが、ホームの構造自体は極めて単純な1面2線で、穂高寄りの端
にある構内踏切から駅舎につながっている。ただ、びっくりするくらいホーム幅が狭い。徐々に人が集まりだし、まずは南小谷行きの電車
が到着。続いて松本行き電車が到着した。
有明15:59発の松本行き電車で2駅先の柏矢町に向かう。この駅は穂高、豊科という安曇野市を代表する2つの駅に挟まれたPOS設置の簡易
委託駅だ。ここも以前は軟券を手売りしていた駅だが、今年の3月からPOSが設置されたらしい。本来この駅へ来る予定はなかったのだ
が、先ほど信濃松川の一件のおかげで予定より1本早い上り電車で行動しているため、この駅に降りることになった。窓口でPOS入場券を頼
んだところすんなりと出てきた。今年POS化したばかりの簡易委託駅なので、入場券発券は多少手間取ることも覚悟していたが拍子抜けする
くらいあっさりと出てきた。次の電車はおよそ20分後、徐々に人が集まりだしたところでホームに移動する。待合室は意外にも若い男女が
多く、列車密度を考えても大糸線の経営環境は意外にいいのではないかと思える。柏矢町16:29発の電車は篠ノ井線、中央東線直通の辰野行
き。ATS-P未装備のE127系100番台は他線へは直通しないので115系と見当がつく。車内はけっこう混雑していて座れない。この電車で中萱ま
で行く。
中萱はなんと窓口が閉まっていた。ブラインドの奥ではまだ人のいる気配がする。今乗ってきた電車は中萱16:37着なのでおそらく営業
時間は16:30までといった具合だろうか。仕方がないので待合室で耳にイヤホンを差し込んで次の電車を待つ。しばらくしてガキ連れのヤン
ママ+αという集団がやってきたのだが、このガキが死ぬほどうるさい。おおむね30秒おきくらいに「ギャー」とか「ビー」とか大声で叫
ぶ。親も親で軽く注意はするが本気で止めようとする気配はまるでない。うるさいことこの上ない。そんなストレスのたまる状況に追い討
ちをかけるかのように管理駅から下り列車遅延の放送が入る。何でも「諏訪地区・山梨県内で大雨」→「中央東線一時運転見合わせで遅
延」→「接続待ちの為大糸線下り電車遅延」だそうだ。次の下り電車はまだ松本駅を出発していないらしく、現在上り電車は定刻通り運転
していますとのことだが、単線だし、何より松本駅の大糸線ホームは1線しかないからすぐに遅れるだろう。大糸線の大半の駅は16時か
ら17時の間に窓口が閉まるので、ダイヤが乱れてしまってはもはや切符収集を続けるわけにも行かない。それにバスの発車時刻までに長野
駅に到着することが最優先事項なので、定刻通りに到着した上りの松本行きに乗り込む。とりあえず松本行きは中萱駅を定刻の17:17に発車
した。
松本行き電車は中萱駅を出てすぐ、17:19に一日市場駅に到着。本来であればすぐに発車するはずなのだが、なかなか発車しない。どう
やらこの駅で下り電車と交換するようだ。その下り電車はまだ松本駅を出ていないとのこと。長時間停車が確実になったため全開だったド
アが半自動の締切扱いに変わった。これは千載一遇のチャンスなので窓口へ行ってPOSの入場券を買う。その後すぐに車内に戻っても良かっ
たのだが、4両編成の車内はイスはほとんど埋まっていて座る余地がない。標高が高いせいか、大雨が降ったせいか、気温は余り暑く感じな
いので、ホームのベンチに座って下り電車が来るのを待つ。しばらくして下り電車が到着したので車内に戻る。どうせ立つのであれば松本
到着時のことを考えて一番先頭の右側にする。途中の北松本でも下り電車と交換し、終着の松本には16分遅れの17:48に到着した。
松本駅はダイヤがグチャグチャで駅の中もグチャグチャになっていた。とりあえずお約束の長野新幹線への振替乗車が行われているもの
の、長野駅までのアクセス手段である篠ノ井線のダイヤも乱れているためどうにもならない。みどりの窓口で入場券を買って戻ってくると
篠ノ井線下りでは17:44発予定の明科行きが先発するという。今日に限って松本始発となった明科行きだが、田沢、明科の2駅区間のみ運転
のローカル輸送用の通勤通学列車のため乗客は少なく、余裕で1ボックス占拠できた。明科行きは17:59に松本駅を発車。大糸線と篠ノ井線
が単線並列で走る区間を右側通行で走り、明科には18:13に到着した。
明科駅には本来は19:04に着き、19:45発のあずさ車両E257系使用の快速で長野へ出る予定だった。ところがダイヤ乱れの影響でひょんな
ことから1時間以上も早く到着してしまった。とりあえず入場券を買うとやることもない。戯れにこの駅でこの後の北海道旅行で使う北海道
&東日本パスを買ってみたが、相変わらず暇だ。PCでお金の整理をしてみたがこれもすぐに終了。今回の旅行ではバッテリーを充電する手
段がないためPCで暇つぶしをするわけにもいかない。電車の遅れ具合はおおむね15分〜1時間くらいとばらつきがある。このままぼーっとし
ていても埒があかないので、駅内のぽっぽ亭というところで夕食をとる。どうやら地元民相手にお酒とおつまみを出して成り立っているよ
うで、注文のしかたを見ていると材料さえあれば何でもOKという雰囲気だ。まあ自分は余所者なのでちゃんとメニューを見て、無難に味噌
ラーメンを注文する。サービスで出された胡瓜の漬物も含めて全て平らげる。19:04発の長野行きがほぼ定刻通り発車していったようなの
で19:45発の快速も大丈夫かと思いきや、駅員氏が言うには車両の目処が立たず現時点で運転の見込みが立っていないとのこと。たしかにあ
ずさの車両を使った列車なので、特急を中心にダイヤが乱れている状況ではそうなるのも仕方がないかもしれない。待合室でひたすら待っ
ていると、20時をまわったころに1本あとの20:35発予定の列車のスジに乗せて快速を運転する旨の放送が流れた。それにしても非常時で適
切な言い回しが見つからないのか、駅員は何度も「スジ」という業界専門用語を連発していた。
結局あずさ車両使用の快速は52分遅れの20:37に明科駅を発車。さすがに9両編成、しかも明科で降りる人が多かったので車内はかなり空
きイスがあったが、進行方向右側で横に柱の来ないイスを探して3、4両移動した。そうまでしたのはこの先にある三大鉄道車窓の一つ、姨
捨駅付近からの善光寺平の夜景を期待してのことである。そもそも犀川は松本平から善光寺平にむかって流れ落ちるので、松本は長野より
も標高が高い。さらに標高が高い大町市にある木崎湖近くの小熊山からはうまくいけば長野市のエムウェーブが見られるという。そういう
わけで、犀川近くにある明科駅を出発した電車はすぐに第一・第二・第三白坂トンネルを抜けて東筑摩郡に出る。標高を下げながら北上
し、冠着トンネルで姨捨に出るわけだが、この時点では標高はまだまだ高いままなので絶景が望める、という寸法だ。で、その夜景だが確
かに期待を裏切らない、いや期待以上のすばらしい夜景だ。函館山、山梨フルーツラインなど有名な夜景も何度か見てきたが、この夜景は
今までで一番だときっぱりと断言できる。盆地という夜景向きの地形、空気のよさ、そして姨捨から見て扇形に奥へ向かって広がっていく
市街地と条件のよさもそろっている。本当にすばらしい夜景だと思う。景色でここまで感動したのは初めてかもしれない。この素晴らしい
夜景をしばし堪能し、電車は坂を駆け下りて篠ノ井駅に到着した。車掌の放送によればこの先の川中島駅に臨時停車するという。結局、終
着の長野駅にはちょうど50分遅れの21:28に到着した。
長野駅では当初の予定では2時間の待ち時間があったのだが、件の遅延でおよそ1時間に縮まってしまったのでネカフェで時間を潰す計画
は中止。とりあえずはみどりの窓口で入場券とオレンジカードを買う。ついでに今度の北海道旅行で使う東京山手線内から高崎までの学割
乗車券をここで買ってみる。次いで無線LANでのネットアクセスを試みる。長野駅の新幹線待合室はYahoo!BBのアクセスポイントになってい
る。ただ、新幹線はもうすぐ終電が出るので、待合室と壁一枚挟んだ自由通路でアクセスしてみる。結果ネットにはつながったが、回線速
度はイマイチで画像が入るとダメだった。
無線LANは諦めて長野駅前のバス乗り場へ。バス乗り場には川中島バスの乗車券販売所兼待合所があったが、すでに閉店後で夜行バスの
客は相手にしていないようだ。仕方がないのでバス停の前でぼーっと待つ。しばらくすると川中島バスの新宿発長野行きの特急便が到着し
た。客もなれたもので勝手にトランクルームを開けて荷物を取り出している。22:15頃にアルペン長野号京都・大阪行きが到着。バスは川中
島バスではなく、共同運行の阪急バスのバスだった。預ける荷物もないのでさっさと乗り込む。1番A席は最前列左側で、全面展望の効く席
だった。当分は前のカーテンを閉めないようなのであまりイスは倒さずに前を眺めることにする。22:30、長野駅前を発車。
駅前の交差点を左折し、国道19号線方面へ。突き当たりのT字路を左折して国道19号線に入ったところが長野バスターミナル。ここもそ
れなりに客がいる。バスはそのまま道なりに南下し、丹波島橋を渡ってすぐのバス停でも客扱い。中途半端な場所に思えるが、それでも数
人の乗客がある。ここから長野IC目指して走るわけだが、途中かなり道が細くなってびっくり。それでもバスはお構いなしに走り続け、松
代大橋たもとのバス停で客扱い。その後ようやく高速に乗る。ところがすぐの更埴ICで降りてしまった。普通高速のインターチェンジに併
設されているバス停といえば料金所の内側にあるものだが、ここのバス停は料金所の外側にあるようだ。そんな不思議な更埴ICで客扱いを
したのち、バスは高速道路に復帰。この先姨捨SAと麻績ICでも客扱いが残っているが運転手の自己紹介、バス設備、到着予定時刻などの案
内がはじまった。自分も眠くて仕方がないのでリクライニングを目一杯倒して寝ることにする………。
明日へ進む