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4日目
朝7:00ちょうど、枕元の時計のアラーム機能で起こされる。自分の携帯のアラームではないあたりがやはりシティホテルか。ホテルを
出るのは8時でいいので時間はたっぷりある。まずは10階の朝食レストランへ。無料朝食は6:30からすでに始まっている。ホテルの無料朝食
というと比較的セコイものを想像してしまうが、ここの朝食はかなり豪華。ネットで検索すればすぐにわかることだから詳細は割愛するが
とにかく豪華。バターロール6個、焼きおにぎり2個、サラダを皿2枚分、コーヒー、ジュース、牛乳と腹に詰め込む。帰り際に無料で配って
いる道新スポーツを1部もらって部屋に帰る。部屋に戻ると入口のポスト?にやはり無料配布の北海道新聞が1部入っていた。部屋に戻って
からはテレビで朝のニュースを見ながらだらだらと着替え。駅に近い立地ということもあって8時に出れば十分。フロントの機械でチェック
アウトを済まし、釧路駅へ。なぜだか釧路駅の自動券売機はオレンジカードが使用中止になっていた。
釧路駅からは8:15発の根室行きの花咲線普通列車に乗る。写真で見ればわかるとおり帯色が赤ではなくピンクなので内装更新車。実際
車内には「昭和61年 富士重工 製造」、「平成2年 釧路車両所 改造」、「平成15年 釧路運輸車両所 改造」と3つの
プレートが貼ってある。最初のプレートが製造時、次がボックスから簡易リクライニングへの改造時、そして最後のが転換クロスへの
改造時、といった具合だろうか。車内の転換クロスシートはモケットこそ色鮮やかで新しいが、側面は六角形で典型的な国鉄型の転換
クロスシート。おまけに使用停止になってはいるがテーブルまでついているので、おそらく快速海峡用の50系客車の派生品なのだろう。
もしかするとここにあるイスの中にはかつて自分が快速海峡として掛けたイスがあるかもしれない。まぁ海峡に乗るときはほとんどいつも
カーペットカーだったのでその可能性はかなり低いが…。しばらくすると改札前のホームから釧網本線の臨時SL列車が黒煙を上げながら
発車していった。一方のこちらの車内は人もまばらな状態で8:15の定時に釧路駅を発車。東釧路で釧網本線と分かれるとすぐに次の武佐。
釧路の市街地というか住宅地にある他愛もない無人駅なのだが、駅前のボロボロのマンションが気になる。ボロボロ具合は滝山団地をも
凌駕しそうな勢い。何やら炭鉱住宅的な雰囲気する感じさせる。ま、あくまでこちらの勝手なイメージだけど。そんな武佐駅からしばらく
進むと釧路町に入って別保駅に到着。ここは釧路町の町役場にも近い。別保の次は上尾幌なのだが、この間14.7kmもあり、この区間だけで
釧路〜厚岸間のおよそ3分の1を占める。所要時間も15分と長い。上尾幌から厚岸町に入った列車は尾幌、門静と停まり、門静からは右手に
海が見えるようになりいい景色だ。ちょっと海が見えづらくなったところで9:06、厚岸駅に到着。
厚岸駅ではとりあえず総販入場券を買う。去年、快速はなさきの長時間停車中に入場券を買ったときは「総販で」と言ったにも
関わらずマルス入場券を渡されあとでがっかりしたのだが、今回はきちんと総販の入場券が出てきた。今日の駅員氏は非常に仕事熱心で
電話での切符注文や窓口の業務をテキパキとこなしてゆく。個人的には駅に電話で切符を発注するという感覚が信じられないのだが、
北海道では札幌都市圏などを除けばよく見られる光景であり、地元では当たり前のことなのだろう。釧路行きの9:49が近づくにつれ徐々に
人が集まりだし、待合室は結構な活況。冬場というのもあるのかもしれないが、これだけ待合室が賑わっていれば十分鉄道としての役割は
果たしていると言えるだろう。あと気になったことがもう一つ。スーパーおおぞらの特急券を売る度に駅員氏は「切符はここから?
釧路から?」と聞いている。ということは釧路まで車で行って特急に乗るという需要が少なからず存在するのだろう。で、その切符を
釧路ではなくあえて厚岸で買うというのはいわゆる「乗って残そう××線」ならぬ「買って残そうみどりの窓口とマルス端末」といった
ところだろうか。そういえば道内の有人駅には往復乗車券の購入を勧める張り紙が多い気もする。しばらくして改札が始まったのでホーム
へ。9:49発の釧路行きは駅舎目の前のホームから発車するようだ。ホーム上の停車目標のあたりに並んでみるのだが、自分以外の人はみな
ホーム入口のところに固まっていて不安になる。しばらくして列車到着。列車は停車位置目標からすればずいぶん手前だが、かといって
ホーム入口というわけでもない、という中途半端な位置に停車。どうなってるんだ?車内は結構混雑していたが車両中央部分に幾つか空席
があり座ることができた。
厚岸を出た列車は各駅で少しずつ乗客を拾っていき、車内はますます混雑してくる。花咲線には早朝や夜間にしか乗ったことがなかった
ので正直これだけ客がいるとは思っていなかった。特に釧路町に入った別保、武佐、釧路市に入った東釧路からの乗客が多い。東釧路を発車
するとすぐに終点釧路への到着の自動放送が流れる。網棚のバックを回収し、降車の準備をする。釧路川を渡ったところで急にけたたま
しい警笛とともに、非常ブレーキがかかる。右へカーブした先に一瞬車が見えたので踏切事故か?釧路到着直前でスピードが落ちていた
ためか、列車は最後は常用ブレーキで踏切直前に停車。見ればばあさんが一人乗った青っぽい色のセダンが頭を踏切内に突っ込んだまま
停車している。しばらくしてたまたま近くを歩いていた?保線係員とおぼしき職員数人が走ってやってきた。職員の誘導でようやく車は
バックして踏切から脱出した。不思議なのは後ろの車は決して詰めてはおらず、突っ込んだ車は十分にバックして踏切から出るだけの
スペースがあったこと。それから保線係員が運転席に向かって話してもなかなか行動しようとしなかったこと。パニックにでもなっていた
のか、それとも今流行の認知症ドライバーか?列車は10:42に4分遅れで到着。踏切障害で4分遅れというのは奇跡的な早さかもしれない。
釧路駅では乗換えの時間中にコンビニキオスクでお茶のペットボトルを買う。うららというJR北海道オリジナルブランドで、500
mlペットにしては130円と安価だったためこれにした。しばらくすると釧路10:52着のスーパーおおぞら1号の到着のアナウンスが流れる。
自分の乗るスーパーおおぞら6号はこの列車の折り返しだ。ホームの新富士よりでポイントを渡る直前の列車を撮ってみるも望遠が不十分
で見れたものではなかった。35mmフィルム換算で300mmでは望遠が足りないということか…。ホームの乗車位置で待つこと数分、清掃作業が
終了したので車内へ。11:19、定時で釧路駅を発車。さすがは高速気動車のキハ283系だけあって加速もスムーズ。車内では今朝ホテルで
もらった北海道新聞と道新スポーツを読む。北海道新聞は何やら紙面の奥底に小泉改革に対する恨み節のようなものが流れているような
気がしてならなかった。途中の白糠でも自分の隣は埋まらなかったので、おそらくは帯広から乗ってくるのであろう。こちらとしては
好都合だ。途中居眠りしたり、景色を見たりしながら途中の池田駅に12:35に到着。
池田駅ではグリーン車のデッキで注文済みのステーキ弁当を受け取る。このためにわざわざグリーン車の隣の4号車を選んだのだ。
デッキでは自分が弁当を購入した後で、客室乗務員のお姉さんがバナナ饅頭をいくつか受け取っていた。車販用だろうか?池田駅での停車
時間は決して長くはないので、列車はすぐに発車。こちらもさっさとイスに戻って弁当を開く。写真撮影などを済ませてから食事の準備を
整え、帯広から乗ってくるであろう隣席を空けておく。相変わらずこの駅弁は自分との相性が良い。ところでサラダ用のフレンチ
ドレッシングはミツカン製だった。肉を中心にかなりの量があるのだが、それでも帯広駅到着時にはあらかた食い尽くした状態。それでも
隣に座ったサラリーマン氏はコンビニおにぎりとお茶のペットボトルなのでちと申し訳ないか…。食後はうつらうつらしながら列車の揺れ
に身を任せる。南千歳駅には14:48の定時から若干遅れて到着。
相変わらず南千歳駅のホームの使い方は変則的で、つまるところ帯広・釧路・室蘭・函館方面と空港間の乗換えを同一ホームで出来るようにしてあるわけだ。ただ今日は特急→特急の乗り継ぎなので結局階段を上り下りする必要
がある。南千歳から登別まで道内の特急ではかなりマイナーな「すずらん」に乗る。一応指定席を取ってあるのだが、Uシート改造された
ライラック用の781系と違い、すずらん用の781系は相変わらず簡易リクライニングシート。イスに関して言えば「ボローツク」と揶揄され
る「オホーツク」用のキハ183系よりもひどい。ほぼ同じ区間を走る北斗・スーパー北斗に勝っているところは加速力のみといった具合。
だからこそその加速のよさを生かして千歳・白老・幌別・鷲別などに余分に停車するのだろうけど…。
さて、すずらん4号は南千歳駅に到着したわけだが、ここでホームにいた老人約一名が最後部の乗務員室に入っていってしまった。ドア
と乗務員室扉を間違える老人にもびっくりだが、扉にカギがかかっていないのもある意味驚きだ。以前、八高線の金子駅でホームに到着
したEF64形電機機関車の扉をガタガタやった挙句に「この電車のドアはなんで開かないんだ!」とたいそうご立腹された老人も
いたが…。件の老人がどうなったかは存じ上げないが、列車は南千歳駅を15:02定時に発車。車内改札に来た車掌のスタンパーが「札幌」
でも「函館」でもなく、ましてや「釧路」でも「旭川」でもなく「室蘭」であったことがちょっと珍しかった。すずらん4号は途中、苫小牧
、白老と停車し、登別には15:49定時に到着した。
登別駅には温泉に入りにきたわけではない。総販入場券とオレンジカードを買って次のスーパー北斗16号を待つ。それにしても登別駅
は観光一色だ。登別温泉街が駅から比較的近く、駅からバスでアクセスする需要がそれなりに存在するためなのだろう。改札上にはLED
ではなく、液晶の列車案内ディスプレイまで設置されている。しばらくして次に乗る特急スーパー北斗16号の改札が始まったのでホーム
へと向かう。ただホーム上には自分とあとはカップルが一組いるだけ。列車の到着を待っていると突然下りホーム側で接近放送が流れる。
なにが来るのかよくわからず適当にカメラを用意したところやって来たのは陣屋町から荻野へ向かうチップ積みのワム貨物。千載一遇の
チャンスなので有難く写真を撮る。
写真撮影後、ホームのベンチに座って待つこと数分、スーパー北斗16号が到着した。トンネルの向こうに縦に並んだ前照灯が2列見える
のでキハ281系ではなく、キハ283系の列車のようだ。列車はキハ283系としては比較的短編成な7両編成。運転台付のキハ283形が両端に
しかついていないある意味で綺麗な編成だ。16:11に登別駅を発車。隣にはすでに人が座っていたが、次の東室蘭で降りた。東室蘭駅を
発車するとしばらくして左手にさきほどの貨物列車の発駅である陣屋町貨物駅と日石三菱の精油基地が見え、多くのタンク貨車が留置され
ている。さらに走って入江の海岸沿いを走っているあたりから車窓は段々と暗くなり、洞爺を出る頃には寝てしまった…。終着の函館には
18:24に到着。
函館には食事と風呂のために来たわけだが、まずは市電の一日乗車券を買う。駅内の観光案内所で聞いてみたところ駅内に入っている
本屋で売っているとのことなのでその本屋へ。市電一日券\600を購入し市電の函館駅前電停へ。十字街で降りるので谷地頭行きでも函館
どっく前行きでもどちらでもかまわないのだが、谷地頭行きがやってきた。18:42発の電車で十字街電停へ。十字街電停には18:47に到着。電停
から少し南側に入ったところにあるラッキーピエロ十字街銀座店へ向かう。ラッキーピエロもモスバーガーなどと同様に注文を受けてから
作り始めるスタイルで、カウンターでまず注文表を記入。チャイニーズチキンバーガーとトンカツバーガーを注文し、番号札を受け取って
席へ向かう。2階席には家族連れが2組いて、いずれもハンバーガー以外のものを食べている。何やらファミレスのような役割も果たして
いるのだろうか。意外と待たされてから、ハンバーガーがやってくる。美味いね。そしてデカい。ただけっこうモサモサするので飲み物は
必須。
食後は谷地頭温泉に向かうわけだがそれにしてもラッキーピエロ十字街銀座店はサンタクロースだらけだった。店内にはおよそ数千体
はいるであろうサンタクロースの人形があふれ、外観も写真の通りサンタクロースだらけ。まさに驚き呆れるというレベルに達している。
一枚写真を撮ってから十字街の電停へ戻る。19:24発の谷地頭行きの電車で終点の谷地頭へ。19:31着。そして函館市水道局経営の谷地頭温泉
へ。以前370円だった入浴料金は380円に10円値上がりしていた。カウンターで石けんとシャンプーを買って脱衣所へ向かう。相変わらず
谷地頭温泉は気持ちのいいところだ。今日は時間もあるので久しぶりに露天風呂のほうにも入る。風呂上りは畳敷きの休憩室でお茶を
すすりながら休憩。テレビを見つつPCでお金の管理をして過ごす。21:28の電車にあわせて谷地頭温泉を後にして電停へ。電停へ向かう途中
でハセガワストアベイエリア店へやきとり弁当のテレフォンオーダーをする。谷地頭21:28発の電車で十字街へ。21:35に到着。十字街電停
から少し歩いたところにあるハセガワストアベイエリア店でやきとり弁当のmixを受け取る。律儀にも電話代として10円玉が弁当箱に貼り
付けてあった。それにしても函館は気温が(道内の中では)高いせいか雪が溶けてアイスバーンになっているところが多い。ある意味で
北海道の中では一番転倒の危険がある。おっかなびっくりで歩きながら十字街の電停へ戻る。ところで市電は十字街の電停で函館どっく前
方面と谷地頭方面とに分岐するのだが、どのように線路のポイントが切り替わるのか今まで謎だった。で、十字街の電停で観察していて
わかったのだが、一定時間周期でポイントが切り替わるという極めて単純なもののようだ。すなわちドック前方面にポイントが向いている
ときは黄色の直進矢印信号が点灯。切り替わる前に矢印信号が点滅し、ポイントが谷地頭方面へ切り替わる。すると今度は黄色の左折矢印
信号が点灯する、という仕組みのようだ。十字街21:55発の市電で函館駅前へ。函館駅前電停には21:59に到着。駅前のサークルKサンクス
で明日の朝食を買った上で函館駅の待合室へと向かう。
函館駅の待合室ではまず先ほど買ったハセガワストアのやきとり弁当を食べる。やきとり弁当と言っても実際は豚串のネギマ。函館では
普通ヤキトリと言った場合豚串を指すのであって、いわゆるヤキトリは「鶏肉のヤキトリ」と言わないと通じないとか。ちなみにこの
ハセストのやきとり弁当はもともとB級グルメ的に有名だったが、GLAY?のお陰で全国区になったとか…。さて肝心の弁当の
味だが、……腹が膨れていてイマイチ味わえないw しかも結構脂っぽくって腹にガツンとくる弁当なので余計腹がいっぱいになって
味わえない。ちょっともったいなかったかも。しかも個人的に長ネギが嫌いというのもね…。
さて、ここから急行はまなすの到着する1時過ぎまで延々待ち時間なのだが、この時間が何ともいえぬほど苦痛。眠い、でも眠れない。
イスは硬く、駅内はみょーに明るい。時々PCをいじったりもするがどうにも時間は潰せず、退屈かつ無為な時間が過ぎていく。時計を何度
も確認するがなかなか時計の針は進んではくれない。急行はまなすが木古内に停車するのであれば木古内行き最終列車で迎えに行くのも
手なのだが木古内は通過(運転停車?)するためそれもままならない。23:42に北斗星4号が到着。自分も24時間後には北斗星4号の乗客
として函館に到着しているわけで、それを考えるとなんだか複雑な気分になる。鬱々とした時間がどれだけ過ぎただろうか?突如として
駅内にはまなすの改札を始める放送が流れる。放送が流れてから実際に列車が到着するまではけっこう時間があるのだが、皆退屈している
のか待合室内のほとんどの人間が一斉に動き出す。自分もいの一番に改札をくぐってホーム頭端部のベンチに座る。ホームは寒風吹き
すさむ状況だが、頭端部はガラス張りなので風だけは防げる。しばらくして青函牽引機のED79形に引っ張られてはまなすが到着。カー
ペットカーの2階へと向かい、寝支度を整える。すぐにやってきた車掌に指定券を見せ、一刻も早く眠りの世界へ。
明日へ進む