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2日目


キハ54アコモ改@釧路駅   途中、音威子府、幌延などで瞬時目覚めることもあったが、疲れも手伝って基本的には熟睡。南稚内到着前に車内が明るくなり、 終点稚内には定刻より数分早く、5:58に到着。稚内で降りた乗客は立ち食いそばでそばを食す者、車内に忘れ物をしたと言って慌てる者 など様々だ。自分はというと駅の窓口が開くまではボーっと立ち尽くし、窓口が開いたところでオレンジカードを1枚購入。しばらく して名寄行普通列車の改札が始まったので車内へ。この列車、宗谷本線北部(名寄以北)、花咲線、釧網本線などで御馴染みの 「国鉄末期製造のいまさら多少の借金なんか関係ねーから民営化後苦しそうな北海道に立派な車両を残してやろうぜ的クロスシート& 北海道の冬を単行で走れるハイパワーエンジン装備の豪華車両キハ54」なのだが、車内はくたびれた感じのクロスシートから新しめ の転換クロスシートになっていた。でもまぁ一駅乗るだけなんだけど。

セイコーマートオリジナルスポーツドリンク   稚内からわずか数分、南稚内駅に到着。このあとに乗るスーパー宗谷2号までは1時間ほどあるので、まずは朝飯を。以前にも 行った事のあるセイコーマート大黒店へ。付近の道路では除雪作業真盛りだ。セイコーマートではおにぎりと飲物を買う。飲物は 折角なのでセイコーマートのオリジナルスポーツドリンクとやらを買ってみる。これらを南稚内駅の待合室で食す。むしゃむしゃ。 窓口が開いたところでオレンジカード8枚を大人買い。ついでに青春18きっぷのナマ券まで買う。さらにはこの後の旅行で使う 快速みえ1号の指定券も買う。〆て\20010のお買い上げ。しばらくするとスーパー宗谷2号が定刻通り到着。7:41に予定通り南稚内を 離れる。滞在時間わずか1時間40分のせわしない稚内滞在であった。
  スーパー宗谷2号の車内は落ち着いている。客が少ないからか?物音を立てる人も無く、抜海付近の最果ての景色をしばし堪能した後 、すぐに眠りの世界へ。夜行列車での睡眠不足を補うかのように眠る。南稚内から特急でおよそ2時間、9:58に美深駅に到着した。この駅 、一応みどりの窓口のある有人駅で全ての列車が停車するのだが、なんと15時前に店じまいしてしまう。そのためこの駅の入場券や オレンジカードを買うにはそこそこの制約がある。美深ではまず郵便局へ。駅近くの美深郵便局へ向うのだが迷う。かなり迷う。 本気で迷う。疲れたw で駅へ戻って総販入場券とオレンジカードを購入。

  美深からはスーパー宗谷1号で逆行、天塩中川へ向う。列車閑散区間で行うこのようなZ字の移動こそフリーきっぷの醍醐味では なかろうか?件のスーパー宗谷1号は美深に3分遅れて到着。駅長氏に見送られながらスーパー宗谷1号に乗り込んだのは自分一人。 ちと寂しい。降車予定の天塩中川まではおよそ1時間だ。しかし1時間の逆行を含むZ字の移動など北海道ならではかもしれない。 スーパー宗谷1号はおよそ3分遅れて11:11に美深を発車。天塩中川にはほぼ定刻通り、12:03に到着した。
  天塩中川駅は委託の老人が切符を売っているだけの簡易委託駅で、切符についても「(簡)天塩中川駅発行」「(ム)天塩中川 →  佐 久」と本来は駅員無配置駅であることをアピールしている。ここでも切符を買った後はまず郵便局。中川郵便局へ。この 郵便局は駅前の幹線道路沿いにあって分かりやすかった。その後は駅近くのAコープ(北海道各地にある農協のやっている生協)で昼飯 を購入。駅の待合室は意外に人が多く、あまり食事の雰囲気ではないのでここでは我慢。しばらくしてやってきた名寄行普通列車に 乗り込みここで昼飯とする。車両は車内が改装されていないキハ54で、車両の真ん中にテーブル付のイスがあるため食事には もってこいだ。途中高校時代の同級生から同窓会云々のメールなどがあって起きていた時間もあったが、基本的には睡眠モードで 名寄へ。折角の雄大な景色を楽しめと言われそうだし、実際そのとおりだと思うのだが、移動中に寝れることこそ車の旅行ではない 列車の旅行の利点ということもいえる。まぁ無理して起きてても体に悪い、ってことです。終点名寄に14:17到着。

  名寄でもまずは郵便局から。名寄駅前郵便局名寄西四条郵便局と回っていく。途中車のクラクションが頻繁に 聞こえ、何事かと思っていたところその正体は除雪作業。除雪車と雪を積み込むダンプとの協調作業が必要なため、クラクションが 頻繁に使われる。基本的には後ろの除雪車が前のダンプに対して鳴らすかたちで「プ(前へ行け)→プ(停まれ)」の繰り返し。 雪が満載になると「ププー」と複数回鳴らし、これを聞いたダンプは雪捨て場へ向って走り出す。このようにして今日も北海道の自動車 交通は維持されているのである。引き続いて道に迷いつつ名寄錦町郵便局、さらに本局の名寄郵便局へ。ここで名寄駅に 戻ろうかどうか迷ったが旅行貯金もあと数日。列車を1本送ってもう1局、名寄東三条郵便局へ向う。途中の踏切を渡ったあたり から風雪が一層激しくなり、ついに地吹雪状態に。前は5メートル先も見えず、背中には雪がびっしり。挙句に歩道は雪の壁で歩けず、 車道を歩く。後ろから車が来たら多分死ぬな。そう直感した。背後の音に細心の注意を払いつつ少しずつ前進する。おのれは八甲田山 かっ、と言いたくなってしまう。しばしの雪中行軍の後旅行貯金を完了し、名寄駅へ戻る。名寄では当初士別から乗る予定だった特急 サロベツの指定券を名寄からに変更してもらい、その後は駅の待合室でコートを乾燥させながら待つ。しばらく待っていると 「特急サロベツ号は数分遅れ」、との放送が。冬季の北海道では列車のわずかな遅れは日常茶飯事で、これくらいは「想定の 範囲内」だ。16:35、特急サロベツで旭川を後にする。

  旭川には17:37、定刻より4分遅れて到着。とりあえずは趣味活動のため17:41発の岩見沢行普通電車に乗り込む。車両は北海道電車史の パイオニア、711系だ。721系、731系の増備でますます数を減らしつつあるが、ここ旭川が最期の地となるのだろうか?乗ること 数分、隣の近文駅に17:45に到着した。この近文駅は函館本線の駅だけあって通過する列車は星の数ほどあるが、停車する列車は一日に わずか上下10本ずつ程度だ。ちなみに旭川の運転免許試験場にも近く、ここへ行って以来列車には一切乗らなくなる人もいるのかも しれない。免許の更新のために地下鉄に乗る必要のある自分としては考えられないことだが。この駅では委託の駅員が軟券の切符を売って おり、これを買う。次の旭川行の電車は18:32発とおよそ1時間も先なのでそれまでは駅のストーブで暖を取る。特にグショグショになって しまった靴を重点的に乾かすがあまり効果がない。(その後わかったが、この時点ですでに靴の底のエアークッションの部分に穴が開き、 そこから水がしみこんだ上、防水加工のためいつまでも乾燥しなかったようだ)しばらくすると駅前にタクシーが停まった。タクシーに 乗るなら旭川駅へ向うはずなのでいぶかしく思ったところ、運転手がバタバタと走ってきてトイレに駆け込んだ。駅は公衆便所ってこと ですかいw ストーブで温まりながらうつらうつらしていると、不意に旭川行列車が1つ手前の駅を出た旨の自動放送が入ったので、 待合室を出てホームへ向う。が、この駅の跨線橋、屋根が全くないため完全に雪に埋もれている。上りはいいとして下りるときが命がけ だ。やっとこさホームに到達し待つこと数分、やってきた旭川行普通電車も711系だった。この電車で旭川へ戻る。旭川18:37着。
  旭川では当初「蜂屋」のラーメンを食すつもりだったのだが、蜂屋の入っていた駅ビル地下街がなくなっている。蜂屋は旭川の 街中にも店がある(というかそっちが本店)が、今回そういうことは「想定の範囲外」だったため全く調べてなく、結果蜂屋の ラーメンは諦めることに。うぅぅ。(蜂屋:旭川では老舗のラーメン屋。魚風味のスープに焦がしラードを使うとあって大好きという人間 と大嫌いという人間に分かれるようだが当然自分は前者。好きな人には麻薬ラーメンなどとも言われるとか。ちなみにこの店は両親が旭川 と留萌の出身だという高校時代の友人に教えてもらった。)結局夜飯は駅内にある軽食の店、サンレスト旭川店でみそカツ丼、\500で 済ませることに。ここで親から電話があったが大した用事もなく、こちらの生存確認だけだった。

  旭川では当初ラーメンを食すために十分な時間を割いておいたのだが、駅構内の軽食屋で済ませたため時間が余ってしまった。ボーっ としていしても仕方がないので時刻表をパラパラとめくる。するとどうやら永山まで行って帰ってきても特急スーパー宗谷4号に間に合い そうだ。ということで早速旭川19:25発の快速なよろ7号名寄行に乗り込み、車上の人となる。北海道ではいたるところで見られる キハ40だが、実は今回の旅行では初乗車。どうもキハ40に乗っていると青春18きっぷで旅行しているような気分になってくる。 永山駅までは旭川からおよそ10分、すぐに到着した。永山地区は旭川市の新都心的なエリアでもあり、まだ20時前ということで窓口は 当然開いているものと考えていたが甘かった。窓口は既に閉店、営業時間は7:00〜18:50だそうで、なんと19時前に店じまいしてしまう ようだ。結果やることもなくなってしまい、旭川行の列車がくるまでストーブの前でボーっとする。時間は30分少々なのだが随分と長く 感じられる。途中ラッセル車がやってきたときだけ少し楽しかったが…。長いことまたされたような気分で、20:11発の旭川行普通列車に 乗り込む。車両は名寄以北でデフォルトのキハ54。この列車は名寄以北始発なのだろうか?今度は新旭川、旭川四条にも停車して 旭川に20:24に到着した。

JR北海道の看板特急、スーパーホワイトアロー   旭川での乗換はあわただしい。到着が20:24、乗換先の特急スーパー宗谷4号は20:29発だ。同じ宗谷本線からの列車なのでよもや 抜かれることはあるまいが、ホームが違うため階段の上り下りが必要だ。そして慌てなければいけない何よりもの理由は指定席券を もっていないということだ。当初の予定ではこの列車には乗る予定が無く、今のルートに変更された時点で指定席券を取ろうとしたら 既に満席。道内でも度々指定席券の発券を試みるもあえなく敗退。実は先ほど乗った特急サロベツも指定席は満席で、士別〜の指定席券を 名寄〜に変更してもらったときはわざわざ座席保持のまま変更してもらったくらいなのだ。冬(本州は既に春だが)の道内の特急は混雑 する。実は観光シーズンの夏場よりも冬のほうが混雑する。冬場は車での長距離移動はリスクが大きいし、飛行機も滑走路閉鎖に伴う 欠航や遅延が多いためJR北海道にとっては稼ぎ時だそうだ。特に車で移動すると日勝峠か狩勝峠を越える必要のある、札幌〜帯広・釧路 を結ぶスーパーおおぞらやスーパーとかちが頻繁に増結されるようだ。そこは増解結の自在な気動車ならではか。これから乗るスーパー 宗谷4号も同様に指定席は既に満席だが、車両が専用のキハ261系のため増結もままならない。スーパー宗谷4号の到着するホームへ 上がると、自由席の乗車位置には既に多くの人が。スーパー宗谷4号は気動車のため看板特急スーパーホワイトアローに比べて加速力が 劣るが、砂川、美唄に停車しないためにスーパーホワイトアローと同じ1時間20分で旭川〜札幌間を走り抜ける。今、列に並んでいる客も 多くはスーツ姿の出張サラリーマンだ。
  20:30、若干の遅れを持って旭川に到着。サラリーマン達とともに車内になだれ込みかろうじてイスを確保する。とりあえず一安心だ。 20:32、わずかに遅れて旭川駅を出発する。ドゥルンというエンジン音とともに鋭く加速していく。車内は会話をする人も無く、外の闇夜も 手伝ってか物寂しい静寂に支配されている。エンジンがオフされるとレールのジョイント音のみが聞こえ、まるで機関車牽引の客車に 乗っているかのような錯覚さえ覚える。スーパー宗谷4号は快調に飛ばし、深川、滝川と歩みを進めていく。と、滝川を出てしばらく すると急にスピードが落ちてノロノロ運転が始まった。車内放送によると吹雪による視界不良のため徐行運転とのことだ。外は真っ暗 な上に通路側に座っていたため今まで気づかなかったのだが、どうやら外は猛吹雪のようだ。この徐行運転は長らく続き、札幌には 23分遅れの22:13に到着した。

  札幌ではとりあえず明日の朝食を買う。翌朝釧路での乗換時間が短い上に、乗換先の列車も2時間以上の長丁場だからだ。その後は これといってやることもなく、昨日と同じように待合スペースのイスに座り、ストーブで体を温めながらテレビでも見て時間を潰す。 22:45頃にホームへ上がって列車の入線を待つ。しばらくして今日の宿、特急まりもが到着した。今日は少し奮発してB寝台を取って ある。ぐるり北海道フリーきっぷでは本来寝台は使えないが、特急券も余分に購入すれば乗車券部分のみ有効となる。それでも普段 なら随分と割に合わないのだが、この時期まりものB寝台は寝台料金が半額となっているため、特急料金\2520+寝台料金\3000=計 \5520で乗ることができる。できればJR北海道には利尻やオホーツク9号のB寝台料金も半額にして欲しいものだ。ちなみに今日の まりものB寝台は満席だとか。半額割引効果だろうか?
  鉄道で旅行する人間の間ではよく寝台車について、個室寝台は上段、開放寝台は下段という格言?がある。自分も下段を押さえて ある。下段のほうが広いし使いやすいからね。自分の寝台を見つけるとまずはベッドメイク。シーツを引き、掛け布団(毛布?)をセット する。そのうちに車掌が早々と車内改札にやってきた。寝台の客については出発前に改札を済ませてくれるようだ。改札が終わったところ でコートをハンガーに掛けて枕元のフックへ、旅行バッグはベッドの足元に置く。バッグの下にカーテンを差し込んでカーテンが勝手に 空かないようにする。これで概ね準備完了。洗面台で顔を洗ってから寝台に戻り、カーテンを閉めて着替えをする。備え付けの浴衣を 着て、ついに横になって寝る。幸せだ。普段は意識しないことだが横になって寝るということはどれほどの幸せだろうか。旅行に出る たびに強く思う。横になって寝れることは幸せなことなのだ。B寝台は早々に車内灯が減光され、車内放送も無く、眠りの世界へ。 追分到着時はまだ意識があったがその後すぐに寝てしまった。

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