新港横戸町線01補遺 2005/11/19

  10/20の報告で当面の道路終点となる「国道旧道交差点」への道路接続形態が決まっていないとお伝えしたが、最新の道づくりニュース (10月号)によれば接続形態について行政と地元住民の間で合意がとれ、現在公安への照会を行っている状況とのことである。パッと見て 特に特異な流れを生むような奇抜な案ではないので、現在行政が公安へ照会している案を最終的な決定版としてお伝えすることにする。 なお、以下の図1〜3は道づくりニュースをもとに自分で作成したものである。(さすがにそのままパクるのはまずいと思ったので…)

図1 穴川終点当初案
穴川終点当初案
  上図のとおり、当初の案では本線車道を終点手前で1車線に絞り、副道と合流、2車線+右折レーンで国道旧道交差点に接続する ことになっていた。本線を1車線に絞ることによって得られたスペースは穴川ICまでの延伸区間のトンネルボックス、それに接続する U字擁壁の工事スペースに当てられる。これは平成21年度末を予定している現事業区間の整備終了後、すぐに穴川ICまでの延伸区間の 事業に着手する前提に基づいた案である。ところが延伸区間には頭上を走るモノレールの存在や、京葉道路・国道16号との接続、国道 事務所との調整などの問題が山積がしており、現状ではとても事業認可が下りるような状態ではない。さらに全くの新設道路となる 現事業区間と異なり、延伸区間は片側2車線以上の道路が既に共用されており、千葉中環状道路の早期完成という観点から見ると自ずと 優先順位は低くなってしまう。事業主体である千葉市ではこのような点を踏まえ、延伸区間の基本計画については現事業区間供用後の交通 状況を見て検討するとしている。このため延伸区間の工事を前提とした当初案には変更の必要が生じた。

図2 穴川終点変更案
穴川終点変更案
  上図は千葉市が最初に提示した変更案である。当初案と違い片側2車線の本線がそのまま国道旧道交差点に接続しているため、現事業 区間の整備効果が最大限期待できる形状となっている。その一方でこの案で割を食ったのは副道である。当初案では副道についても そのまま交差点に接続していたが、この変更案では本線車道への合流を必要としている。特に副道を穴側十字路方面へ向かって走ってきた 車が国道旧道交差点において右折する場合、短時間の間に合流→車線変更→右折レーンへ分流とさながら首都高速のようなアクロ バティックな運転を要求される。この案については副道を主に利用することになる沿道住民が当然のごとく反発し、見直しが 必要となった。

図3 穴川終点最終案
穴川終点最終案
  変更案に地元町会から出された本線、副道への信号設置の要望を加味して出てきたのがこの最終案である。このような信号制御による 合流はそれほど珍しいものではなく、東京都杉並区の環八通り、四面道交差点などがこのような形状となっている。この最終案では右折 レーンを本線信号機停止位置の手前から分岐させることで、結果的に信号設置位置が手前に移ることによる交通容量の低下をできる限り 防ごうという努力が見られる。なお、環八通りではたとえ本線に合流のための信号機を設置したとしても、もともと多くの信号がある上に 、交通集中による渋滞や速度低下が日常茶飯事であるからあまり問題にはならない。一方、この新港横戸町線は本線部に原則として信号を 設けない設計速度60km/hの道路であり、供用時にはそれ相応の速さの流れになることが予想される。さらにこの本線信号はちょうど地下 から地上に上りきったところに設置されることになるので、事前の告知が不十分だと信号に気づくのが遅れる可能性がある。これは もはや道路行政というよりは公安行政の仕事かもしれないが、十分な告知は当然のこと、場合によっては本線への補助信号、予告信号の 設置も検討する必要があるのではないだろうか。
  また、副道側の視点に立ってみると信号待ちという新たな不便が生じるが、本線の交通を意識せずに余裕を持って各レーンに合流 できる点を考えればメリットの方が多いのではないだろうか。合流ポイントから車線消滅までの距離が短い一般道の合流は車間距離 ギリギリの合流や、本線との速度差が大きいままの合流を余儀なくされることが多く、個人的に嫌いな(運転しにくい)交通形態の筆頭 である。